日々馬鹿日記2005 Ver.1.01b

2014/9/20に はてなダイヤリー から移行しました。1.01a→http://d.hatena.ne.jp/e3uematsu/

「鉄」の見えにくい部分

本業というか、鉄ネタを久しく書いてないのである程度まとめて...
といっても調べてない訳ではなく、逆に調べてたという。

デジタル伝送であることは最近のATC導入事例と同じであるが、駅間を複数の閉塞に区切り、進行できる残り閉塞数を車両側が受信する。それに基づいて減速パターンを作成する方式。曲線部の速度制限は「○閉塞地点で制限xKm/h」という情報に基づきパターン発生。それに伴い、線路脇に閉塞境界標識が所々に設置されている。
JR山手・京浜東北線や都営新宿線はいわゆる「地理データベース」と停止位置から減速パターンを「検索」するものであるが、京王線はこれと違う「視線」から減速パターンを使用することとなる。もちろん互換性はないので、都営車&京王線の都営乗入れ車には双方のATCを搭載することになる。
急行運転を行っているので、停車駅通過防止機能もATCに組み込まれる。列車種別をATC信号内に含ませ、それに基づいて誤通過防止パターンを作成する。また踏切が近接する駅では誤通過防止用パターンを2種類併用し踏切内への冒進を防ぐ。ちなみにこれによってTNS装置*1は廃止される様子(TNSモニタに新ATCの表示器を設置している)。これにあわせて、都営線でも誤通過防止装置(TA装置?)を独自に導入する様子。
※出典:鉄道車両と技術 No.148(レールアンドテック出版)
運転協会誌 2009/4

160km/h運転を計画している成田新高速鉄道成田湯川駅〜成田空港は単線となるが、その分岐点である成田湯川駅では高速運転用の38番分岐器を採用。この分岐器は高崎駅北部にある上越長野新幹線の下り分岐点にも用いられているもので、分岐側を160km/hで走行できる。これによって、単線・複線が変わる場所でも高速で通過できる。
また高速走行にあわせて同区間ではC-ATSによる速度照査が行われるが、160km/hの表示は新型スカイライナーのみに行う。新型スカイライナーには車両側にも選別装置を設け、この情報を受けて地上側で160km/hの表示を行う。

2009/4 建設中の様子 ちなみに来年4月に開業予定

相鉄では西谷とJR線との乗り入れ工事を進めているが、それに併せて保安装置の改良を進めている。その一環として、現行ATS・列車無線をJR式に更新するという。もちろんATS-P・デジタル列車無線の導入である(仕様もJRとおおむね同じ)。相鉄側で早くも保安装置の改良を進めていたのはそれが理由のよう。
※出典:鉄道と電気技術 2009/8(社団法人 日本鉄道電気技術協会)

*1:京王線・都営新宿線での誤通過防止装置