日々馬鹿日記2005 Ver.1.01b

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ドアを付けま〜す

山手線にホームドア設置という驚愕の発表が出た。設置コストなどが問題で導入に踏み切れない事業者が多い中、JRは近年まれにみる決断を下した。っても、今回の発表は恵比寿駅と目黒駅での試験的設置しか決定していないのだが。ということで、設置のメリットとデメリットを見てみる。
そもそも導入を躊躇(ちゅうちょ)させる原因はいくつか存在するが、ホーム側と車両側に改造が必要であることが1つ。ホーム側はもちろん、ホームドアの位置に正確に停車できるようTASCと呼ばれる装置を車両にも付ける必要があり、保有編成が多いほど、この費用もかかる。
また、1編成あたりの車両数がそろってないと稼働が難しい点もある。現行設備では、全ドアを一斉に稼働させるため、車両がない部分だけ開けないという仕組みは、「ここ数週間の間は」実現されていない。というのも、来週開業する副都心線では、車両の編成が一定でなくても必要分のホームドアを稼働させるシステムを初めて採用するので、この問題点は解消に向かうと考えられる。これによって導入ケースが急激に増加...するわけないか。
では、山手線に設置した場合の長所短所を見てみる。

  • 設置メリット

ホームからの旅客転落をほぼ回避
利用客がホームから転落し事故に巻き込まれる確率を劇的に減らせる。特に混雑時間帯はホームの橋を歩いて移動せざるを得ないケースが多く、「旅客を守る」という点からすれば一定の成果は得られる。またホームドア設置による「威嚇」効果で投身自殺を止めさせる(一種の無言の圧力?)効果も期待できる(完全に回避は無理。後述)。いずれにせよ、日本の顔(は言い過ぎか?)でもある山手線の輸送障害を回避させたいという思惑が感じられる。
列車オーバーラン回避
山手線は全列車各駅に停車するので、ホームドアを設置しなくても誤通過する可能性は少ないだろうと見れるが、それより停車位置を数メートル行きすぎる「軽微な」オーバーランを回避できる。これは停車位置への停車をTASC機能を用いて車両が自動で行う(元々停車位置の許容範囲が狭くなり、人力での停車はかなり技術を要する)ので、結果的に軽微オーバーランをほぼ完全に回避できる。
ちなみにTASCを導入している多くの区間は運転士のみによるワンマン運転を行っているが、山手線は利用人数が多いのでワンマン運転になる可能性はほぼない。最近ホームドアを設置した地下鉄丸ノ内線も、ワンマン運転用に車両側で設備が整っているが、南北線などにくらべると利用者数が多いので現状以上のワンマン化は考えにくい。

  • 設置のデメリット

ホームの幅が少し狭くなる
ホームドアを設置する分のスペースを確保しないといけないが、新たに追加するスペースはほとんどないので、現行よりホームの幅が狭くなってしまう。ラッシュ時での混雑がひどくなければ設置に問題はないが、利用客が多い駅では設置によって混雑に拍車がつながる恐れもある。
自殺回避は不可
時々、ホームドアを設置すれば自殺をゼロにできると思われるが、乗り越えようと思えばドアを乗り越えられるため、完璧に投身自殺をなくすことは無理。それに、自殺したい人は手段を選ばないので。
駅停車時間の微増
ホームドアを設置すると、車両側のドアとホーム側のドアの双方の開閉確認を行う必要があり、発車の際は双方が閉まってから発車がする。そのため数秒停車時間が延びる。日中の時間帯なら問題はないのだが、朝ラッシュの本数が多い時間帯では停車時間が数秒増えるだけで時間当たりの本数が少し減ってしまう恐れがある。ただ、2012年までの先行試験期間中に実施する駅は2駅であるので、現時点ではその心配は最低限に抑えられる。

今回の「決断」を後押ししたのは、東北縦貫線の着工が背景にあると考えられる。現在、山手線と京浜東北線の最混雑区間は上野〜御徒町で210%以上になっているが、東北縦貫線 上野〜東京がつながるとこの混雑は180%台まで改善できる。つまり、ラッシュ時の運行本数を現行よりも減らせ、所要時間に余裕が生じる。そこに目を付けたのが、今回のホームドア設置だろう。東北縦貫線の開業が2013年度で、ホームドア本格整備は2013年度以降。偶然のようには見えない。
そんな中気になるのが、6ドア車の処遇。保守工事などで京浜東北線の車両を走らせるとホームドアが邪魔になり、一部ドアからの乗り降りができなくなる恐れがあるので、本格導入になった場合は車両を置き換えることも検討している。ただこれが問題になるのは浜松町〜西日暮里であって、それ以外の駅では山手線の車両しか走れないので、ホームドア設置のためだけに車両置換えをするのは得策には思えないのだが。ちなみに今回の整備費は、先行導入だけで約50億円、全駅導入では約500億円にのぼるが、車両置換が入ればそれ以上に額は増える。ただ、車両置換が生じるのは少なくても5年先だし、その頃には205系が老朽化してくるので、ホームドア対応の新車を山手線に投入するついでに、現行E231系205系区間(6ドア車がある埼京線とか?)に転属させるという、5年前の「奥の手」を再び起こすこともないとはいえない。ほかにも既存のE231系同士で車両を転属しあうという事も出来なくはないが。まあ、5年先の話であるが。