日々馬鹿日記2005 Ver.1.01b

2014/9/20に はてなダイヤリー から移行しました。1.01a→http://d.hatena.ne.jp/e3uematsu/

区切り

ATOSネタですので...
南武線でも3/26の始発からATOS(線区サーバ)の運用が開始されたと今日付の交通新聞が報じた。今後のATOSについては一切触れられていなかったが。

第2期整備分も終了が見えてきたので、とりあえず問題点を。

・輸送障害時はスタンドアロンでは手間がかかる(特に仙台)
今では少なくなったが、「スタンドアロン*1」での案内が去年春から仙台で開始されている。ポイント・信号機の電子連動化のいわばオマケみたいな感じで入っており、ATS-Pでない駅でも可能であることが実証された。
ホームに入ってくる・入っている列車をコンピュータにどう認識させるかがこの自動放送の鍵になる。ATS-Pが導入されている首都圏なら、ATS-Pの機能の一つである「列車番号を地上(運行指令)とやりとりできる」機能を生かし、ホームに入ってくる列車が何なのか判別できる。これなら仮に列車が遅れたり発車順序が変わっても自動で案内を変更できる。
一方仙台ではATS-PSになっていて、列車番号設定機が付いていない為「○時○分に駅北の指定ポイントを通過したら白石行きが到着する」というような方法をとっているようだ。これだと列車が遅れ発着順序が変わった場合、進路も手動で設定しないといけない為、電光掲示板には「JR」としか表示されない。(↓を参照)
http://demiodotkom.blog24.fc2.com/blog-entry-58.html
つまりスタンドアロンでの導入は、輸送障害時の対策も考えなければならない(電子連動化したら旅客案内も必ず改修しないといけないわけではないので、旅客案内を旧型のままにしても特に支障はない)。

・在線表示機能は全路線に
近郊路線では列車の遅れ案内は表示されるが、宇都宮線高崎線からは列車の遅れに関係なく先発列車の現在地が表示されるようになった。宇都宮・高崎・埼京・川越・山手貨物・東北貨物線では「A駅を出ました」とスクロール表示されるのに対し、南武線ではスクロールではなく図を使った表示が使われている。初期にATOSが導入された駅では掲示板の幅が短いため、南武線のような表示が適当のようだ(というかスクロールよりも見やすい)。
いまのところ今後新規に整備する路線は発表されていないので、初期にATOSが導入された路線にも在線表示を導入するなどのバージョンアップが求められる。

・ポストATOSも?
ATOSが最初に稼働したのはもう10年前。導入当初はすったもんだでトラブルも何回かあったが、それは6年も前。CPU、HDD、メモリなどハードウェアの進歩もあいまって今ではかなり安定した動きになっている。

今後はどこに導入されるかが注目されるところだが、個人的にはもうないと考える。
というのも、ATOSの技術を活用しつつコストダウンを図った新しい運行システムが登場してもおかしくないはずである。
田端で管理している線区のうちATOS化されてないのが武蔵野線だが、既にPRCが入っているので無理してATOS化する必要はなく、しばらくそのままになるか、「ポストATOS*2」になることも十分考えられる。また既に導入されているPRC・CTCを新しくする必要性が出てくることもあり、それを生かして改修できるなら工期・工費も安くすむ(埼京線のようなパターンは考えづらい)。これについてはいずれ何らかの公式発表が出るだろうから、それを待ちたい。

*1:線区サーバーが稼働していないor設置してない状態で、ATOS導入線区相当の案内が提供されている

*2:ATOSの後継となる新しい輸送管理システム。実際に開発されているかは不明